「ウルガモスって蛾みたいだけど、あの六枚の羽は太陽を表しているの?」
赤い羽が体の周りに広がる姿は、普通の蛾よりも炎や光をまとった存在に見えます。遺跡に登場する強いポケモンという印象から、モスラのような怪獣も思い浮かびますよね。
杉森建氏と大村祐介氏の説明をたどると、羽が当初の四枚から増えた理由や、威厳を持たせる工夫が分かります。公式図鑑の太陽にまつわる設定も合わせ、蛾と太陽がどのように結び付いたのか、特定の蛾やモスラとの比較も交えて紹介します。
- 制作モチーフ:開発者が語った強くて威厳のある蛾
- 六枚の羽:太陽のように見せるための造形
- 特定種・モスラ説:公式モデル指定は未確認
ウルガモスのモチーフは「強くて威厳のある蛾」
ウルガモスの中心モチーフは、はっきり蛾と考えてよさそうです。これは見た目からの推測だけではありません。
『ニンテンドードリーム』Vol.204に掲載された杉森建さんらのインタビューを英訳して紹介している海外のポケモン開発資料サイトでは、ウルガモスの制作経緯が紹介されています。
杉森さんによると、開発後半にタイプの偏りを補う中で、遺跡に登場する強い「むし・ほのお」タイプを作ることになりました。そこで「強い虫とは何か」を考え、しばらく蛾をモチーフにしたポケモンが出ていなかったことから、強くて威厳のある蛾を目指したと説明されています。
制作側の説明で確認できること
- 強い「むし・ほのお」タイプとして企画された
- 蛾をモチーフにする方針が決まった
- ただの蛾ではなく、強さと威厳を感じる姿が意識された
つまり、「ウルガモスは蛾っぽいから蛾説がある」という段階ではなく、蛾モチーフは開発者の説明で確認できる情報です。


太陽モチーフも開発者発言と公式設定で確認できる
ウルガモスらしさを作っているもう一つの大きな要素が太陽です。こちらも単なるファン考察ではありません。
杉森さんは、ウルガモスの6枚の羽を太陽のように見える形にしたと説明しています。威厳や力強さを高めるための工夫だったそうです。
さらに大村祐介さんの説明では、もともと羽は4枚でした。しかし、それでは普通の蛾に見えやすかったため、6枚に増やしてより強く見える姿へ変更したことが紹介されています。
| 確認できる要素 | 内容 |
|---|---|
| 蛾 | 制作側がモチーフとして直接説明 |
| 6枚の羽 | 太陽のように見せ、強さと威厳を出すためのデザイン |
| 公式分類 | 「たいようポケモン」 |
| 図鑑設定 | 寒い土地では「太陽の化身」として崇められるという説明がある |
開発者のデザイン説明と公式図鑑の設定が同じ方向を向いているため、蛾と太陽の組み合わせがウルガモスの核と見るのが分かりやすいです。
ウルガモスは何の蛾?アトラスモスなどは比較候補
蛾がモチーフだと分かると、次に気になるのが「では何という種類の蛾なのか」です。
海外のポケモン百科事典では、アトラスモスなど大型の蛾が候補として挙げられています。ロンドン自然史博物館によると、アトラスモスは世界最大級の昆虫で、羽を広げると最大約27センチにもなります。
巨大で存在感のある蛾という点は、「強くて威厳のある蛾」という制作側の考え方と比べたくなるところです。ただし、ここには大事な違いがあります。
特定の蛾について分かっていること
- 蛾そのもの:開発者の説明で確認できる
- アトラスモスなどの具体種:見た目を比べる候補として挙げられている
- 公式モデル:特定の種類をモデルにしたという説明は見つかっていない
アトラスモスを「ウルガモスの公式モデル」と断定するのは避けた方がよいでしょう。制作側が話しているのは、あくまで「蛾」という大きなモチーフまでです。
ウルガモスの名前の由来は?
名前にも、炎・蛾・太陽につながる言葉が入っていると考えられています。
海外のポケモン百科事典では、日本名「ウルガモス」について、ローマ神話の火の神ウルカヌス、日本語の「蛾」、英語で蛾を意味するmoth(モス、蛾)を組み合わせた可能性が紹介されています。
スミソニアン協会の説明では、ウルカヌスは古代ローマで火や金属加工をつかさどる神として説明されています。ウルガモスが「ほのお」タイプであることを考えると、名前の候補としてつながりやすい言葉です。
英語名Volcarona(ヴォルカローナ、読みの目安)も、火山や太陽とのつながりを考えたくなる名前です。
前半は、volcano(ヴォルケイノ、火山/読みの目安)またはVulcan(ヴァルカン、ローマ神話の火の神ウルカヌス/読みの目安)から来たという見方があります。
後半のcorona(コロナ、太陽大気の最外層)と組み合わせたという説です。米航空宇宙局も、コロナを太陽を取り巻く大気の最外層と説明しています。
ただし、命名者による直接説明は未確認です。そのため、名前については「有力な語源候補」として見るのが適切です。
モスラ・セラフィム・太陽神説はどこまで本当?
ウルガモスを調べると、モスラや天使、太陽神などの名前も見かけます。どれもウルガモスの特徴と重なる部分はありますが、蛾と太陽ほど根拠は強くありません。
モスラ説は「似ている」という文化的な比較
巨大な蛾で、炎や太陽を思わせ、特別な存在として描かれるウルガモスは、怪獣映画のモスラと重ねられることがあります。
昆虫を題材にポケモンを紹介した海外の論文でも、ウルガモスが太陽の代わりになる守護者のような描写と、モスラのイメージが比較されています。
ただし、その論文はデザインを担当した人の発言ではありません。モスラが制作元ネタだと確認できる説明は見つかっていません。
6枚羽からセラフィムを連想する説もある
海外では、6枚の赤い羽と炎のイメージから、6枚の翼で描かれることがあるセラフィムという天使を連想する説もあります。太陽神や特定の神様へ結びつける説も同様です。
6枚羽は強さと威厳を出す制作上の工夫
6枚羽は、強さと威厳を出すための制作上の工夫です。神話の存在を元に6枚へ増やしたという説明は確認できません。
神話や怪獣との共通点を楽しむことはできますが、制作元ネタとしては、直接説明のある「蛾」と「太陽のような羽」を先に考える方が確かです。
結局、ウルガモスのモチーフは何?
ここまで出てきた候補は、すべて同じ立場ではありません。
蛾・太陽・文化説について分かっていること
- 制作側が説明したモチーフ:強くて威厳のある蛾
- 制作側が説明したデザイン要素:太陽のように見える6枚の羽
- 実在種の比較候補:アトラスモスなどの大型の蛾
- 名前の由来候補:ウルカヌス+蛾+moth(モス、蛾)など
- 別の比較・考察:モスラ、セラフィム、太陽神など
ウルガモスは、強くて威厳のある蛾+太陽のような6枚羽を核にしたデザインだと、開発者の説明から確認できます。
ほかの動物・昆虫モチーフのポケモンも見たい場合は、動物がモチーフのポケモン一覧も参考にしてください。
第5世代の元ネタ記事を世代別に探したい場合は、第5世代(イッシュ)の元ネタ記事一覧から確認できます。


まとめ
ウルガモスは、杉森建さんらのインタビューで、強くて威厳のある蛾を目指したことや、6枚の羽を太陽のように見せたことが説明されています。中心にあるのは蛾と太陽の組み合わせです。
アトラスモスのような実在の蛾や、モスラ、セラフィムにも比べたくなる点はあります。ただ、これらが公式のモデルだと説明されたわけではありません。まず蛾と太陽の発想を知ると、ほかの説との違いもつかみやすくなります。
参考にしたページ・本
- ポケモンずかん「ウルガモス」
- Lava Cut Content(ラヴァ・カット・コンテンツ、ゲーム資料研究サイト/読みの目安):『ニンテンドードリーム』Vol.204インタビュー英訳
- バルバペディア(英語圏の利用者参加型ポケモン百科事典)「ウルガモス」
- ロンドン自然史博物館「アトラスモス特集」
- NASA Space Place(ナサ・スペース・プレイス、米航空宇宙局の教育サイト/読みの目安)「太陽のコロナとは?」
- スミソニアン協会「Vulcan(ヴァルカン、ウルカヌス/読みの目安)」に関する教育資料
- 昆虫とポケモンを扱った論文「ポケモンを通じた昆虫学コミュニケーション」
- Serebii.net(セレビィネット、海外ポケモン情報サイト/読みの目安)「第5世代の英語名発音ガイド」


