ピカチュウは何の動物?元ネタはリス?ネズミ?名前の由来も解説

第1世代(カントー)

「ピカチュウってねずみポケモンなのに、実はリスが元になっているって本当?」

「赤いほっぺにも関係があるのかな?」

大きな耳やしっぽを見るとネズミを思い浮かべますが、にしだあつこさんがデザインの発想として語っているのはリスの頬袋でした。食べ物をためる頬袋から、ほっぺに電気をためるというアイデアが生まれたのです。

一方、現在の公式分類はねずみポケモンで、制作のきっかけと図鑑の設定は同じものではありません。赤いほっぺの誕生や名前の意味をたどりながら、リスとネズミの要素がどう重なっているのか紹介します。

先に結論

  • 制作の発想:リスの頬袋からほっぺに電気をためる案
  • 公式分類:ねずみポケモン
  • デザインの関係:リスの発想にネズミ設定と電気要素

ピカチュウの元ネタはリス?

リスの頬袋がデザインのヒントになった

ポケモン公式の英語記事「Creator Profile: The Creators of Pikachu(クリエイター紹介:ピカチュウのクリエイターたち)」では、杉森建さん、西野弘二さん、にしだあつこさんがピカチュウ誕生の経緯を振り返っています。

にしださんによると、ピカチュウを作るときに決まっていたのは「でんきタイプ」などゲーム上の条件が中心でした。最初からネズミ指定ではありませんでした。

最初に作った姿も、今のピカチュウとはかなり違います。ゲーム画面で直接ドットを打ちながら形を作り、初期段階では大福のような丸い生き物だったと説明されています。

そこからヒントになったのが、当時にしださんが夢中になっていたリスでした。リスが頬に食べ物をためる姿を見て、頬袋に電気をためる発想が生まれたと語っています。

「リスが関係している」という話は、見た目が似ているだけのファン説ではなく、デザイン担当本人の発言で確認できます。

大福の初期案から頬袋・電気・ねずみ設定へ

誕生の流れ:大福のような初期案 → リスの頬袋 → 電気をためるほっぺ → 後から「ねずみポケモン」の設定

「全身がリスをモデルにしている」とまでは言えない

ただし、ここから「ピカチュウはリスそのものをモデルにした」と言い切ると少し話が変わります。

公式インタビューで明確に語られているのは、リスの頬袋が発想に影響したことです。耳や足、体型などを特定のリスの種類からそのまま写した、という説明ではありません。

リスからのヒントと一匹のモデルは別

「リスからヒントを得た」ことと、「リス一匹をそのままモデルにした」ことは別です。

リスの頬袋が、電気をためるほっぺのヒントなんだね。
デザイン担当者が語っています。全身を特定のリスから写したという話ではありません。

では、なぜ公式では「ねずみポケモン」なの?

現在のポケモン公式図鑑では、ピカチュウは「ねずみポケモン」とされています。

ところが、にしださんは名前を考えた時点ではネズミを意識していなかったと話しています。杉森さんも、ネズミ設定はデザイン後に加わったと説明しています。

つまり、「公式ではネズミ」と「最初からネズミを参考に描いた」は別です。誕生までの過程には、大福のような初期案やリスから得たアイデアがありました。

リスとネズミ、どちらがピカチュウに近い?

ここまでの話を比べると、リスとネズミはそれぞれ違うところでピカチュウに関わっています。

比べるポイント リス・ネズミ
誕生時の話 頬袋がアイデアのヒントになった。最初からネズミ指定だったわけではない
現在の公式設定 リスという公式分類ではない。「ねずみポケモン」と分類されている
どう考えると分かりやすい? デザインを考えるうえで重要。完成後のキャラクター設定として重要

そのため、「リスかネズミのどちらが正解?」という二択にするより、リス由来の発想とネズミの公式設定が両方あると理解する方が自然です。

ピカチュウの名前の由来は?

英語名もPikachu(ピカチュウ)で、日本名と同じ名称が使われています。そのため、英語名独自の別語源があるというより、「pika(ピカ/名前のローマ字表記)」と「chu(チュウ/名前のローマ字表記)」の由来を確認することがそのまま名前の由来につながります。

「ピカ」は電気や光を表す言葉

にしださんは、でんきタイプらしさが伝わる名前として「ピカ」を使ったと説明しています。「ピカッ」「ピカピカ」のように、光がきらめく様子を連想させる言葉です。

米国のニュース誌「TIME(タイム)」による1999年の田尻智さんへのインタビューでも、「pika(ピカ)」は日本語で電気の火花を表す音として説明されています。

「チュウ」は最初からネズミの意味だった?

「チュウ」については、にしださんと田尻さんで説明の角度が少し違います。

にしださんは2018年の公式インタビューで、命名時にはネズミを意識していなかったと話し、響きの良さや小ささなどから「チュウ」を選んだと説明しています。

一方、田尻さんは1999年のTIME(タイム)インタビューで、「chu(チュウ)」はネズミの鳴き声で、ピカチュウは「電気のネズミ」のような名前だと説明しました。

説明者 「チュウ」の説明・見る時点
にしだあつこさん 命名時はネズミを意識せず、響きや小ささなどから選んだ。名前を考えたときの記憶
田尻智さん ネズミの鳴き声として説明。完成したピカチュウの説明

この2つは、片方を誤りとして消す必要はありません。命名時の記憶と後年の説明では時点が違うと整理すると、両方の発言を無理なく理解できます。

英単語pika(パイカ/読みの目安、ナキウサギ)説は有力?

英単語pika(パイカ/読みの目安、「ナキウサギ」の意味)は、ナキウサギ科の小型哺乳類を指す単語でもあります。そこから「ピカチュウの“ピカ”はナキウサギ由来では?」という説が出ることがあります。

米国の英語辞典サイト「Merriam-Webster(メリアム・ウェブスター)」でもpika(パイカ/読みの目安)という動物名自体は確認できます。ただし、今回確認した公式・開発者の説明では、「ピカ」は電気や光を表す日本語の表現です。

ナキウサギ由来という公式説明は未確認です。そのため、英単語との一致から生まれた別説として見るのがよさそうです。

実在動物と比べると、どこが似ている?

シマリスは「頬袋」をイメージしやすい

平川動物公園のシマリス紹介では、食べ物を運んで貯蔵する生態が紹介されています。こうした頬にためるリスの行動は、にしださんの発想を理解する比較対象です。

ただし、シマリスが公式モデルと決まっているわけではありません。実在動物との比較は、開発者の話を理解する手がかりとして見るのが適切です。

黄色い体と稲妻のようなしっぽは「でんき」らしさにつながる

ピカチュウには、動物だけでは説明できない特徴もあります。公式インタビューでは、でんきタイプらしさが伝わるようにしっぽの形が調整され、公式イラストではタイプを分かりやすくする色として黄色が使われた経緯も語られています。

つまりピカチュウは、実在動物の特徴だけで作られたのではなく、「電気」が名前・色・しっぽにも表れるキャラクターです。

「リアルピカチュウ」と呼ばれた動物もいる

2018年には、オーストラリアで保護された黄金色のフクロギツネが、黄色い毛と大きな耳から「リアルピカチュウ」のようだと海外で話題になりました。米アイオワ州のローカルテレビ局「KCCI(ケー・シー・シー・アイ)」の報道でも、ピカチュウを連想させる動物として紹介されています。

もちろん、このフクロギツネがピカチュウの元ネタという意味ではありません。後から「見た目が似ている」と話題になった実在動物です。

結局、ピカチュウの元ネタ・モデルは何?

ここまでを見ると、ピカチュウを「リスがモデル」「ネズミがモデル」のどちらか一言だけで説明すると、どうしても一部が抜けてしまいます。

リス・ねずみ・電気・名前の根拠

  • リス:頬袋が「電気をためるほっぺ」のヒントになった
  • ネズミ:現在の公式分類は「ねずみポケモン」で、設定は後から加わった
  • 電気・稲妻:名前、黄色い体、しっぽなどにでんきタイプらしさが表れている
  • ナキウサギ:英単語pika(パイカ/読みの目安、「ナキウサギ」の意味)は一致するが、公式の命名由来としては確認できない

一種類の動物をそのままモデル化したと考えない方が自然です。

リスの発想・ネズミ設定・電気のデザインが重なって、今のピカチュウが完成したと考えるのが分かりやすいでしょう。

第1世代のほかのポケモンは、第1世代(カントー)のポケモン元ネタ・モデル一覧から探せます。

リスの発想に、後からねずみの設定が加わったんだね。
誕生の経緯と今の分類をたどると、どちらもピカチュウにつながっています。

まとめ

ピカチュウは公式には「ねずみポケモン」ですが、その言葉だけでは誕生までの流れをすべて説明できません。

にしだあつこさんは、リスの頬袋から「電気をためるほっぺ」を発想しました。一方、ネズミ設定はデザイン後に加えられたと語られています。

さらに、「ピカ」・黄色い体・稲妻のしっぽには、でんきタイプらしさも取り入れられています。

ピカチュウは、リス・ネズミ・電気の複数要素が重なったポケモンと見ると、成り立ちが最も分かりやすくなります。

ほかのポケモンも実在動物との関係から探したい場合は、何の動物?実在する生き物が元ネタ・モデル候補のポケモンまとめも参考にしてください。

主な参考資料

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