ペンドラーの元ネタはムカデ?オオムカデ属と毒のツメ・名前の由来を調査

第5世代(イッシュ)

「ペンドラーって、ムカデみたいなのにどうして四足の動物にも見えるの?」

節のある長い胴体と大きな触角にはムカデらしさがありますが、太い脚で体を支える姿は実在のムカデと違いますよね。どの部分がムカデの特徴として残っているのか、形だけでは迷うところです。

公式カードでは、首のツメで獲物を押さえて猛毒を与えると説明されています。実在ムカデの頭の後ろにある毒を注入する器官と比べ、オオムカデ属の名前を思わせる語源や、古代の巨大多足類との違いも見ていきましょう。

先に結論

  • 公式の土台:メガムカデの分類と首のツメ・猛毒
  • 名前の候補:オオムカデ属スコロペンドラ
  • 古代生物の説:巨大なアースロプレウラは補助候補

ペンドラーの元ネタはムカデと考えるのが最有力

まず大きな手がかりになるのが、公式設定です。ペンドラーは公式で「メガムカデポケモン」に分類され、高さ2.5m、重さ200.5kgの「むし・どく」タイプとして紹介されています。

図鑑文でもムカデらしさははっきりしています。ポケモンカードゲーム公式では、首のツメで獲物を挟んで動きを止めてから猛毒を与えることや、首のツメで獲物を地面に叩きつけ、毒のトゲを突き立てることが説明されています。

さらに、デザインを担当した人物も確認できます。北風友裕さんは2019年4月30日のX投稿で、フシデ・ホイーガ・ペンドラーについて、ゲームフリークに入った初期に自分がデザインしたポケモンだと振り返っています。

ただし、この本人投稿で確認できるのは北風さんがデザインを担当したことまでです。「この種類のムカデをモデルにした」「名前はこの言葉から付けた」といった具体的な由来までは説明されていません。

公式情報から確認できる範囲

  • ペンドラーは「メガムカデポケモン」に分類される
  • 首のツメと猛毒を使って獲物を仕留める設定がある
  • 北風友裕さんがフシデ系統をデザインしたことは本人発言で確認できる
  • 特定のムカデ種や命名語源までは、制作側の直接説明を確認できない
首のツメで毒を使うところまで、ムカデと似ているんだね。
実在のムカデにも、頭の後ろに毒を注入する脚から変わった器官があります。

「首のツメ+猛毒」は実在のムカデにもある

ムカデはあごのような脚で獲物に毒を注入する

ペンドラーの「首のツメ」は、実在のムカデと比べるとかなり興味深い部分です。

オーストラリア博物館によると、ムカデは頭のすぐ後ろにある一対の脚が、毒を注入するあごのような器官に変わっています。この器官を「顎肢(がくし)」と呼び、獲物をつかんで毒を注入します。多くのムカデは肉食で、小さな無脊椎動物などを食べます。

ペンドラーの設定 実在のムカデとの共通点
首の近くにあるツメ 頭のすぐ後ろに、毒を注入する顎肢がある
獲物を捕らえる 顎肢で獲物をつかみ、肉食性の捕食を行う
猛毒を与える 顎肢に毒腺があり、獲物へ毒を注入する

毒の器官の位置・役割が重なるムカデ

見た目だけでなく、毒を使う器官の位置と役割までムカデの特徴と対応しているのが大きなポイントです。

現実のムカデは昆虫ではなく「多足類」

ここで一つ注意したいのが、生物学上の分類です。現実のムカデは昆虫ではありません。ムカデとヤスデは多足類に含まれ、昆虫とは別のグループです。

ペンドラーはポケモンのタイプでは「むし」ですが、実在生物との比較では「昆虫」よりも「ムカデ類」「多足類」と表現する方が正確です。

オオムカデ属Scolopendra(スコロペンドラ)が有力候補になる理由

ムカデの中でも、より具体的な候補として注目したいのが Scolopendra(スコロペンドラ、オオムカデ属)です。ロンドン自然史博物館の分類データでは、スコロペンドラはムカデ綱・オオムカデ目・オオムカデ科に属する実在の属として掲載されています。

この属名は、日本名「ペンドラー」の音とよく似ています。さらに英語名 Scolipede(スコリピード、読みの目安)についても、英語圏の利用者参加型ポケモン百科事典「バルバペディア」では、Scolopendra(スコロペンドラ、オオムカデ属)とcentipede(センチピード、ムカデ)またはmillipede(ミリピード、ヤスデ)を組み合わせた名前ではないかと考察されています。

日本名と英語名の両方が同じ実在の属名を思わせること、そして公式設定がムカデの生態と重なることを合わせると、スコロペンドラ属はかなり有力な具体候補です。

手がかり 読み取れること
公式分類・生態 ムカデ類との関係が強い
日本名「ペンドラー」 スコロペンドラの後半と音が近い
英語名Scolipede(スコリピード、読みの目安) Scolopendra(スコロペンドラ、オオムカデ属)とcentipede(センチピード、ムカデ)などの組み合わせ説がある
制作側の直接説明 特定の属をモデル・語源にしたという明言は今回確認できない

つまり、スコロペンドラ属は名前と生物学的特徴の両方から説明しやすい候補ですが、公式確認ではなく有力説として扱うのが適切です。

大型のオオムカデ1種までモデルを絞れる?

海外の考察では、Scolopendra gigantea(スコロペンドラ・ギガンテア、大型のオオムカデの一種/読みの目安)を、さらに具体的な候補として挙げる例もあります。米ミシガン大学の動物情報データベース「Animal Diversity Web(アニマル・ダイバーシティ・ウェブ、動物情報データベース)」では、この種は南米北部に分布し、約30cmに達する大型種として紹介されています。

大型のオオムカデという点ではイメージが近いものの、ペンドラーの高さは2.5mです。体色や形を含めても「この種でなければ説明できない」という決め手は確認できません。

スコロペンドラ属と特定種の根拠の差

スコロペンドラ属までなら有力ですが、ギガンテアという1種を「公式モデル」と断定できる根拠は確認できません。

ペンドラーの名前の由来は?

日本名「ペンドラー」の有力な語源候補はスコロペンドラです。属名の後半にある「ペンドラ」と「ペンドラー」が近く、しかもペンドラー自体がムカデを強く思わせるポケモンなので、名前とのつながりはかなり分かりやすいです。

英語名Scolipede(スコリピード、読みの目安)も、先ほど触れたようにスコロペンドラとcentipede(センチピード、ムカデ)などを組み合わせた名前と考察されています。日英名の両方でムカデに関係する語が意識されている可能性があります。

ただし、命名者による直接の語源説明は未確認でした。そのため、「公式の名前の由来」ではなく「有力な語源候補」として紹介できます。

アースロプレウラ説は「大きさ」が似ている別説

もう一つ、ペンドラーの候補として名前が挙がるのが、古生代に生きていた巨大な多足類アースロプレウラです。

ロンドン自然史博物館によると、最大級のアースロプレウラは約2.6mに達したと推定されています。ペンドラーの高さ2.5mとかなり近いため、巨大さだけを見ると面白い比較です。

2024年の研究では、アースロプレウラはヤスデの仲間に近いと考えられています。頭にはムカデに似た特徴もあり、今のムカデをそのまま巨大にした生き物とは違います。

公式やデザイナーからアースロプレウラとの関係を示す説明も確認できないため、「2.5m前後という巨大さが似ている興味深い別候補」くらいに留めるのがよさそうです。

アースロプレウラ説は大きさの比較

アースロプレウラ説で強く重なるのは主に「大きさ」です。ムカデ型の生態や名前まで同時に説明できるスコロペンドラ説より、根拠は一段弱く見ます。

結局、ペンドラーの元ネタ・モデルは何?

ここまでの情報は、同じ強さの根拠ではありません。分けて考えると分かりやすくなります。

根拠の強さ 内容
公式確認 メガムカデ分類、首のツメ、猛毒を使う捕食設定、北風友裕さんのデザイン担当
有力説 ムカデ類を中心モチーフと見ること、具体候補としてスコロペンドラ属を考えること
弱い別説 ギガンテアという特定種、アースロプレウラ
未確認 特定種を公式モデルとする制作側説明、名前の語源を命名者が直接説明した記録

中心モチーフはムカデ類、スコロペンドラ属が有力です。ただし、特定種や命名由来まで公式に明言されたわけではありません。

ほかの動物・節足動物モチーフのポケモンも見たい場合は、動物がモチーフのポケモン一覧も参考にしてください。

第5世代の元ネタ記事を世代別に探したい場合は、第5世代(イッシュ)の元ネタ記事一覧から確認できます。

大きさだけで古代の生き物に決めることはできないんだね。
ムカデの生態と名前の両方に重なるのが、オオムカデ属の有力な点です。

まとめ

ペンドラーは「メガムカデポケモン」です。首のツメで獲物をつかみ、猛毒を与える設定にも、実在のムカデがあごのように変化した脚で毒を注入する性質との共通点があります。

名前からは、オオムカデ属のスコロペンドラが有力な候補になります。ただし、特定の種や、巨大な古生物アースロプレウラをモデルにしたという説明は確認できません。姿、毒の使い方、名前にムカデらしさが重なるのが、ペンドラーの大きな特徴です。

参考にしたページ・本

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